ナカノムラの生態日記

『小説家になろう』で連載中の『ナカノムラアヤスケ』の生存記録を綴っていく。<『カンナのカンナ』書籍化します>

<読書日記>web小説 武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行

武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行

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 web小説発、書籍八巻まで出ているライトノベル

 エルフとして二度目の人生を歩む格闘家が最強を目指す物語。

 web版はこちら↓

 武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行

あらすじでござる

<異界より来たりし者に師事し、武に生涯を捧げた男、スラヴァ=ヴェサー。当代に敵なしと言われた無敵の武術家も、病と老いには勝てず、百と余年でその偉大な生涯を終える。弟子に看取られる中、心地よい後悔に身を任せたスラヴァは、気がつけばベッドの上で寝転がっていた。小さい身体、自分を覗き込む男女。混乱するスラヴァに掛けられたのは「よーし、パパですよ~」の一言。短い生涯で武を極めれなかった事を後悔する男が、長命の種族・エルフに転生。嬉々として修行に励む彼に、前世の縁が絡んできて……?「師匠……師匠なのですね!?」「誰かと勘違いをしてはおらぬか……じゃない、勘違いをしていませんか?」最強の二文字に固執する男の、エルフとしては生き急ぐ物語>

 まず最初に言いたい。

 主人公の師匠が『異世界から来た』という事実を、この記事を書くためにあらすじを読み返した時点で『初めて知った』。や、なんとなくそうではないかとは思っていたが、あらすじの時点で既に確定要素として上がっているのに今更ながらに気がつく。こんな状態で紹介できるのかよ

閑話休題(解説・感想)

 ざっくりと説明すると、百歳を超える格闘家の爺様(人間種)が転生して『ショタ爺』になったので、前世で成しえなかった『最強』への道を再出発する。なお、師匠は異世界からの転移らしいが、主人公のショタ爺は異世界出身であり、転生後も時間が経過した同じ世界である。

 

 主人公の人間像は、以前に当ブログでも紹介した『ワールド・ティーチャー』に近い。新しく生を受けた体は何も特別な素養を持たなかったが、前世の経験と知識を生かし、常人ではまるで太刀打ちできない能力を得ていく。『棚ぼた俺Tuee』ではなく、ただひたすらに、ストイックに自らを鍛え、高めていくところが渋い。人間的(エルフだが)にも既に成熟しており、ショタの外見でひたすら爺むさいのもまた渋い。ちなみにナカノムラはコーヒーはブラック。紅茶は何も入れずにストレートで飲むのが大好き。人間的にマイルドすぎるので、ここで多少の渋み成分を押し出していきたい。

 

イチ押しは爺

 主人公の他に個人的に推していきたいのが、彼の前世からのライバルであるエルフ爺である。『表世界』で有名であった主人公(前世)に対し、こちらは『裏世界』で名をはせる格闘家。何度も死闘を繰り広げる間柄であり、なんだかんだで認め合っている腐れ縁のような関係である。ある意味で他の誰よりも互いの良し悪しを知り抜いており、それは主人公がショタ爺として転生した後も変わりはなかった

 人間年齢に換算してもかなりの高齢なのだが、年齢を思わせないファンキー爺ちゃんである。べらんめぇ口調で格闘家としても現役バリバリ。そしてひたすら爺馬鹿で孫(ヒロインの一人)に超絶甘々

 まさに『爺 of the 爺』ともいうべきだろう。

 彼がどんな人間かは本編を読んで直に確かめてほしい。

 

 爺の紹介ばかりだが、可愛らしいヒロイン達も数多く登場。主人公の活動範囲(出発地点)が『エルフの生活圏内』であるためか、彼の周囲を取り巻くのはほぼエルフで固められている。そしてなにより、旅の仲間となる女性達は全てステゴロ系ヒロインである。拳から始まる男女関係もあるらしい。

 かといって全員が『脳筋』かと思えばそれも違っており、強さに対してストイックなのは主人公と同じく共通だが、どちらかといえば落ち着いた雰囲気の者が多い。むしろ、精神的に一番成熟しているはずの主人公が、根っこのところで一番『脳筋』かもしれない。

 実り具合に関しても豊かな子の方が多く、控えめな子に関しても不思議ちゃん要素があるので、ナカノムラ的には逆に『b』である。何でもかんでも大きけりゃぁいいってもんじゃぁないのだ。

 実りはそこにあるだけでも価値があるのだ。

 

 

 常に強さを求めていく主人公達だが、その先に待ち受けるのは単なる『修行の場』だけではない。物語が進む連れて、師の代から続く『因縁』が姿を現し、彼らの前に立ち塞がる。そして、ただひたすらに『最強』への道を歩き続ける主人公が改めて『強さ』とは何なのかを考え直していく。

 

 爽快感溢れる戦闘系ノベルとは一味違う、本格的な格闘系ノベルが読みたいなら、本作を手に取る価値はあるのではないだろうか。魔法要素込みだが

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