〈読書感想〉web小説 異世界はスマートフォンとともに
異世界はスマートフォンとともに
web小説発のライトノベル。
神様の手違いで死んでしまった少年が、異世界仕様になったスマホを片手に異世界ライフを送っていく物語。
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あらすじ
神様の手違いで死んでしまった主人公は、異世界で第二の人生をスタートさせる。彼にあるのは神様から底上げしてもらった身体と、異世界でも使用可能にしてもらったスマートフォン。様々な人たちと出会い、大切な仲間を得ていく中で、いつしか主人公はこの世界の秘密を知る。古代文明の遺産を受け継ぎ、お気楽な世界の王たちと力を合わせながら、彼はのほほんと世界を巡っていく。
とりあえずイラストを
書籍版のイラストを担当しているのが、『ゼロの使い魔』の挿絵を手がけている『兎塚エイジ』さんである。可愛らしい女の子たちが多数登場する作品なので、一読者としても非常に嬉しいチョイスである。
タイトルにもあらすじにもある通り、主人公は神様に頼んで持っていた『スマートフォン』を異世界仕様にしてもらい、加えて優れた身体能力と魔法の才能を授けられ、新たな生を受けて異世界ライフを送っていく。
主人公は基本的には善人であり常識人だが、親しい者が危害を加えられたり侮辱など受けると烈火のごとく怒る。そのためか、彼の魅力に惹かれて美少女がどんどん増えていく。
爆発しろ。
ただ、繰り返すが主人公は常識人ではあるが、日本人的な意味合いが深いので身近に増えていく女性に対しては少しタジタジ。だからと言っていい加減な態度で引き延ばすわけでは無く、しっかりと彼女たちの気持ちと向き合っていく
……結局はハーレムになるのだが。
爆裂しろ。
常識人の皮を被った自重知らず
倫理観念等に関しては日本人的な常識人ではあるのだが、早急に事態の解決が必要になると途端に行動に自重がなくなる。
頭の回転力も高いようで、持ち込んだスマートフォンのアプリと己の魔法を連動させ、とんでもない効果を発揮し周囲を唖然とさせる。
だが、本人が一番好んで使う魔法がなぜか『相手を転ばせる』魔法なのがミソである。小物相手にも大型魔物相手にも、怪獣映画に出てきそうな輩も等しく転ばせていく。
そんなに転ばせるの好きか?
他にも、お仕置き用の魔法(というか、装置)や他にも、加工の難しい鉱物を『3Dプリンタ』のごとく成形してロマン溢れる武器の創造など、気持ちの良いくらいに色々とやらかしていく。
ただ、人様に迷惑をかける行為はしないのでご安心を(悪人は例外)。
スパ◯ボになる
途中から物語が妙な方向に弾けとぶ。
……とはいうが、流れが破綻しているわけでも、強引な展開が待っているわけでも無い。伏線そのものは物語の序盤から既に姿を現しており、無理の無い話の進み方である。ただ、途中からふと思い最初から読み返してみると、ナカノムラ的には『ん?』となる。
そう、この物語は『剣と魔法とスマートフォン』の物語であるはずなのに、なんと『ロボット』がでてくるのだ。
しかも等身大では無く、『人が乗り込むタイプの巨大ロボット』である。
さらに、登場するのは一体だけでは無く、量産型やヒロインたちのためにカスタマイズされたワンオフ機体。主人公専用のスペシャル機体も生産されていく。
何度も言うが、物語が破綻しているわけでも無く、しっかりと作りこんでいる。しかし、ちょっとロマン積み込みすぎじゃねぇの?とツッコミを入れてしまうナカノムラはまだまだ修行不足なのかもしれない(なんのだ?)。
最後に
既に長期の連載を行っているweb版ではあるが、一度読み始めると止めどころがわからなくなる作品。長い話を読みたいという方や、可愛い女の子が登場する話が読みたという方にナカノムラはお勧めしたい。
価格:1,296円 |